2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ジル・ドゥルーズ「襞―ライプニッツとバロック」第4章

第4章 十分な理由 アリストテレスが事前と事後とよんだもの、つまり先行性は、ここに時間の秩序がないけれども、複雑な観念であることが予感される。定義するもの、あるいは理由は定義されるものに先行しなければならない。それらが定義されるものの可能性…

ジョセフ・ラズ「権利の性質について」(3)

続き bqgism.hatenablog.com 七 権利と利益 権利は権利保持者の利益に根拠づけられているが、個人は自らにとって不利益となるような権利を有することもありうる。たとえば、自己の所有する財産が、その価値以上に不利益をもたらすこともある。ある人が、自由…

ジョセフ・ラズ「権利の性質について(2)」

続き bqgism.hatenablog.com 六 権利をもつ能力 たとえ(同一の)道徳共同体の構成員ではないものに対して義務を有しうるとしても、この義務の履行によって利益を受ける者の利益に、その義務が根拠を有していないとすれば、相互依存テーゼはなお通用している…

アリストテレスの認識論について

哲学はいつも本質的な部分は理解されず、細かいディテールばかりが注目されているように感じる。大事なのは部分的な事実ではなく、その事実を全体の中で位置づける枠組みであるのに。 アリストテレスの認識論について、いわゆる経験論に近い立場で、プラトン…