2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「純粋理性批判」第一版の序文

修道院長のテラッソンの次のような言葉がある。「ある本の大きさをページ数によってではなく、その本を理解する時間によって測るなら、多くの本について次のように言えるだろう。『この本がこれほど短くなかったなら、はるかに短かったであろうに』」だが反…

ライプニッツ「形而上学叙説」

神のとる道の単純性についていえば、単純なのはもっぱらその手段においてであって、目的ないし結果の点では逆に多様で多彩あるいは豊穣なのである。この単純性と多様性は、一方で建物を造る予算、他方で建物に求められる大きさと美しさの場合と同様に、バラ…

マイケル・オークショット「大学にふさわしい『政治学』教育について」

簡単にいうならば、大学教育が学校教育や「職業」教育と異なるのは、それが「作品」の教育ではなく「言葉」の教育だからであり、それが説明言語(あるいは思考様式)の使用と習得に関わり、処方箋を示す言葉に関係するのではないからである。学校の生徒も熱…

ジョセフ・ラズ「権利の性質について」

一 権利についてのある説明のしかたの概観 権利は、他者における義務の根拠である。権利に根拠を持つ義務は、条件的義務の場合もある。業務の遂行に関する雇用の指令に従うべき、被用者の義務を例にして考えてみよう。この義務は、被用者に指令を与えるとい…