法哲学

ジョセフ・ラズ「権利の性質について」(3)

続き bqgism.hatenablog.com 七 権利と利益 権利は権利保持者の利益に根拠づけられているが、個人は自らにとって不利益となるような権利を有することもありうる。たとえば、自己の所有する財産が、その価値以上に不利益をもたらすこともある。ある人が、自由…

ジョセフ・ラズ「権利の性質について(2)」

続き bqgism.hatenablog.com 六 権利をもつ能力 たとえ(同一の)道徳共同体の構成員ではないものに対して義務を有しうるとしても、この義務の履行によって利益を受ける者の利益に、その義務が根拠を有していないとすれば、相互依存テーゼはなお通用している…

ジョセフ・ラズ「権利の性質について」

一 権利についてのある説明のしかたの概観 権利は、他者における義務の根拠である。権利に根拠を持つ義務は、条件的義務の場合もある。業務の遂行に関する雇用の指令に従うべき、被用者の義務を例にして考えてみよう。この義務は、被用者に指令を与えるとい…