ドゥルーズ「差異と反復」で扱われるアリストテレス論について(1)

ドゥルーズが「差異と反復」でアリストテレスをどのように扱っているかについての解説。


アリストテレスは、最大であると同時にもっとも完全な差異が存在する、と述べている。差異一般は、異別性あるいは異他性から区別される。なぜなら二つの項が、それら自身によってではなく、[それら以外の]何ものかによって異他的であるときに、異なるからであり、したがって、また二つの項がさらに別のものにおいては、すなわちもろもろのc種的差異[種差]にとっての類においては、またもろもろの数的差異な差異にとっての種においては、あるいは類的差異にとっての「類比による存在」においては一致するときでもそれら二つの項は異なるからである。(p93)


 

c種的差異[種差]にとっての類

とは、たとえば魚や馬、鳥などもろもろの種に共通するもの(動物)であり、種的差異とは類に属するもののうち、その種とそれ以外の種との間の差異のこと。

種的差異にとっての類とはその類に属する種の間の差異にとっての、その類に属する種の間の共通性

 

d数的差異な差異にとっての種

オレンジジュース300mlとオレンジジュース500mlというような、数えられるものの数の上での差異にとっての、数えられるもの同士の共通性

 

e類的差異にとっての「類比による存在」

生物と石というような類の上での差異にとっての、なんらかの仕方であると言明することが可能である両者の間の共通性

 

b[それら以外の]何ものかによって異他的であるとき

魚、馬、鳥などの動物はそれ単独で他と異なるのではなく、種差によって異他的であり、オレンジジュース300mlと500mlは数的差異によって異他的であり、ライオンと石は類的差異によって異他的である。

 

a異別性あるいは異他性

異別性あるいは異他性とは、数や大きさ、性質などなんらかの仕方で自分自身が区別の根拠ような差異。

 

まとめると差異一般は、それ自身で(なんらかの仕方で)差異となるような差異だけでなく、他のものによって差異となるような差異も含むということを言っている。

 

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疲れた。ドゥルーズ語を翻訳するのは難しい。